悪臭防止法

 
法の概要
(法第一条) この法律は、工場その他の事業場における事業活動に伴つて発生する悪臭について必要な規制を行い、その他悪臭防止対策を推進することにより、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする。


法対象物質
特定悪臭物質として、悪臭の原因となると考えられる化学物質を具体的に法(施行令)で定めていて(22物質)、排出気体中、排出水中などにおけるこれらの濃度を規制します。
 
  • 物質例:
–   アンモニア
–   メチルメルカプタン(腐ったキャベツのようなにおい)
–   硫化水素(腐った卵のようなにおい; “腐卵臭”)
–   トリメチルアミン(腐った魚のようなにおい)
–   プロピオン酸(嘔吐物のようなにおい)
–   ノルマル吉草酸(むれた靴下や足の裏のようなにおい)
        など

また、これらの化学物質でなかったとしても、別途 臭気指数なる嗅覚を用いた測定による基準もあり、この数値によっても悪臭を規制します。


義務の例
  • 事業者の義務
上述の特定悪臭物質、ないし臭気指数は、それの一切の発生も許されないというわけではなく、まずは都道府県知事(市の区域内の地域については市長)が規制の対象とする地域を定め、また、それらの地域の状況に応じた規制基準が定められます。規制の対象となる地域に設置されている各事業場は、その地域の規制基準に応じてそれぞれの事業活動における悪臭の排出を管理しなければなりません。
また、事業場における事故等で悪臭が規制基準を超えて漏出しうる場合は、直ちに、その事故について応急処置を施し、事故を復旧し、また原則、その事故の状況を市区村長へ通報しなければなりません。

 
  • 国民の義務
本法では悪臭の排出に関して事業者のみならず、わたしたち国民への義務も課しています。

(法第十四条) 何人も、住居が集合している地域においては、飲食物の調理、愛がんする動物の飼養その他その日常生活における行為に伴い悪臭が発生し、周辺地域における住民の生活環境が損なわれることのないように努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する悪臭の防止による生活環境の保全に関する施策に協力しなければならない

例えば、一家庭でお料理を楽しむ場合でも、当人たちには愉快なにおいも周辺の他のひとに対してはそれが悪臭となる場合もあるため、注意が必要です。


臭気判定士
本法に基づき創設された国家資格です。嗅覚測定法(ひとがにおいを感じなくなるまで希釈してにおいの強さを判定する方法)の実行、その他 臭気に関する測定/検査などを統括的に行うための資格です。年に一度(11)、東京、愛知、大阪で臭気判定士試験(筆記)が行われます。ただし、臭気判定士になるためにはこの試験に合格するだけでは不十分で、別途 所定の機関で嗅覚検査を行い、それにも合格する必要があります(ちなみに、特別 嗅覚が優れていなければならないというわけではないようです)。臭気判定士試験の合格証、嗅覚検査の合格証を合わせて申請し、免状が交付されます(ただし、18歳以上でなければなりません)
本資格は有効期間が 5年となっていて、期間満了の際は改めて嗅覚検査を受け、更新しなければ免状は失効となります。