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特定化学物質の環境への排出量の把握等及び 管理の改善の促進に関する法律 (化管法)

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令」が 令和3年10月20日に公布され、令和5年4月1日より施行されます。(特定/)第一種指定化学物質、第二種指定化学物質に変更が入り、新たに指定されるもの、指定から除外されるもの、類別が変更になるもの、名称が変更になるものがあります。
経済産業省ウェブサイト
 

法の概要

(法第一条) この法律は、環境の保全に係る化学物質の管理に関する国際的協調の動向に配慮しつつ、化学物質に関する科学的知見及び化学物質の製造、使用その他の取扱いに関する状況を踏まえ、事業者及び国民の理解の下に、特定の化学物質の環境への排出量等の把握に関する措置並びに事業者による特定の化学物質の性状及び取扱いに関する情報の提供に関する措置等を講ずることにより、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止することを目的とする。
 

法対象物質

  • 第一種指定化学物質

人の健康や、動植物の生育などに影響を及ぼしたり、オゾン層を破壊したりする物質で、広範囲の環境に継続的に存在すると認められるものとして、政令で定められている 462物質(改正後は 515物質)です。また、その中で発がん性、生殖細胞変異原性を有するなどとして、特に15(改正後は23)の物質は 「特定第一種指定化学物質」 と呼ばれます。
対象物質例:
アジ化ナトリウム、エチレンオキシド[特定]、ジクロロベンゼン、トリクロロ酢酸、石綿[特定] など
 
  • 第二種指定化学物質

人の健康や、動植物の生育などに影響を及ぼしたり、オゾン層を破壊したりする物質で、使用量の増加などにより、広範囲の環境に継続的に存在することになると見込まれるものとして、政令で定められている 100物質(改正後は134物質)です。
 

対象物質例:

ジクロロ酢酸、1,3-ジブロモプロパン、メタ-ニトロアニリン、硫酸ヒドラジン など
 

義務の例

  • PRTR制度

PRTR: Pollutant Release and Transfer Register
本制度の対象事業者(24業種)は本制度の対象化学物質: 第一種指定化学物質の環境への排出量、ならびに事業所外への移動量を把握し、国に届け出る必要があります。
 
  • 化管法SDS制度

本制度の対象事業者は本制度の対象化学物質: 第一種指定化学物質、ならびに第二種指定化学物質を他の事業者に提供する際に、あらかじめその情報(SDS)を提供する義務があります。また、その容器に、所定の情報を記したラベル表示をするよう努めることともされています。

PRTR制度の対象事業者は 24業種であるのに対して、この SDS制度については制度対象物質を扱うすべての事業者が対象となります。
また、SDSも、とにかく情報をまとめればよいというわけではなく、その項目や、対象物質含有量の表示の仕方等の指定もあります(化管法SDS省令第3条)。SDSは邦文で作成しなければなりません。
 
化管法SDS 記載項目
1 化学品及び会社情報
2 危険有害性の要約
3 組成及び成分情報
※含有する指定化学物質の名称、指定化学物質の種別、含有率(有効数字2桁)
4 応急措置
5 火災時の措置
6 漏出時の措置
7 取扱い及び保管上の注意
8 ばく露防止及び保護措置
9 物理的及び化学的性質
10 安定性及び反応性
11 有害性情報
12 環境影響情報
13 廃棄上の注意
14 輸送上の注意
15 適用法令
16 その他の情報

なお、JIS Z 7253に準じて作成すればこれらの項目については満足されます。